夏の日の屋上

夏の暑い時期に職場の屋上でバーベキューをしました。
事務の人は自分の仕事そっちのけで昼間っからビールを飲んで火の東番。
「これが面倒くさいんだ」とか言いながら、楽しそうに団扇で火をあおいでいました。
仕事が終わった人から次々に屋上に上がってきて、自分たちの持ってきた食材を皿に並べたり、網に乗せて焼いていったりとだんだん盛り上がってきましたが、その頃には事務の人は当然といえば当然ですがひと眠りの時間となっていました。
闇に包まれ始めたころ、ドカ~ンという音と共に事務の人は起き出し、遠くの方が光ったので何事かと思ったら花火大会が始まったのでした。
団扇で仰いだら煙と共にぬるい風が頬をすり抜け、汗をかいた缶ビールを喉に流し込みながら見る遠くの花火は、本当に遠いところの出来事という感じがして、なんだかしんみりしました。
あまり話したことのない新入社員の子とも話せたり、片づけになると妙にみんな行動が早かったりなんだかとても不思議な夜でした。
でも一番不思議だったのは納豆を焼いて一人で食べていた女の子でした。