火の音と父のコーヒー

小さい頃はよく家族とキャンプへ行きました。家族だけでなく友達やキャンプ仲間を連れて行って、朝から夕方まで川で遊び疲れたら寝てまた朝から川に入って遊んでいました。

夕方になると晩御飯の準備。みんなで手伝いをします。私は火の係で父と一緒に火起こしをしていました。父は火の危険と安全に火を起こすにはどうすればいいのか、いつも教えてくれ側で見てくれました。そんな父のおかげで火起こしは今でも得意です。
火を起こしたらご飯を炊いて、おかずを作りみんなで火を囲んで食べました。食べ終わるとただじっと火を見て、寝るまでのんびり過ごしていました。外は真っ暗。星と月の光に火のパチパチという音。木の焼ける匂いと涼しい風。ただじっと過ごすだけですが、私は大好きでした。眠くなった人から順にテントに入り、最後の人が火のしまつをします。

早朝 空気が澄み切り、鳥の鳴き声が聞こえてきます。既に父は起きていて、コーヒーを入れる準備をしています。テントから出ると父から「おはよう」と声をかけ、私の分のコーヒーを入れてくれます。それがとても美味しかったです。

今ではもうキャンプへ行かなくなりましたが、鳥の鳴き声を聞くと思い出します。夜の火の音。朝の澄み切った空気と父のコーヒー。今度は私の子どもを連れて、父と一緒にキャンプへ行きたいです。